1日1ジョーク

創作アメリカンジョークを公開しています。1日1更新。

スキーリフトからの落とし物

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スキー場の管理事務所。ここには毎日たくさんのスキー客が訪れる。

訪ねてくる理由は様々だが、一番多いのは落とし物だ。

男性「すみません、リフトから手袋を落としてしまったのですが」

今日も一人の男性がやってきた。管理人はうんざりして聞いた。

管理人「落とした場所は覚えてる? 普通のコース上?」

男性「いえ、立入禁止エリアです。でも、どのあたりかは覚えていて……」

管理人「それじゃあダメだね。あきらめて」

管理人はにべもなく言ったが、男性は食い下がった。

男性「探してもらうことってできないんですか。黄色い目立つ手袋で、お気に入りのものなんです」

管理人「うちはそういうサービスはしてないの。もし見つかったら連絡するから、連絡先と名前だけ書いてもらえる?」

管理人は男性に連絡先を記入させると、さっさと追い出した。

まったく、余計な仕事を増やしやがって。

管理人は椅子に座ると、ぶつくさと文句を言った。

しばらくすると、また客がやってきた。今度は女性だ。

女性「すみません、リフトから物を落としてしまいまして」

管理人「はいはい。何落としたの」

女性「実は、指輪を落としてしまいまして」

管理人「指輪? そんなもの見つかりっこないよ。あきらめな」

女性「でも、ダイヤの入った高級品で、100万は下らないものなんです」

管理人「100万?」

管理人は目の色を変えた。

管理人「落としたのはどの辺?」

女性「それが、落としたショックであまり記憶がなくて……」

管理人「それが分からないと探しようがないじゃない」

女性「すみません……黄色の手袋が近くにあったのは覚えているんですが」

管理人「黄色の手袋?」

女性「はい。指輪を落としたとき、下に黄色の手袋が落ちてました」

管理人は内心飛び上がらんばかりに興奮したが、平静を装って言った。

管理人「分かりました。見つかったら連絡しますが、あまり期待しないでくださいね」

女性「よろしくお願いします」

女性が帰ると、管理人は先ほどの男性客を呼び出した。

男性「本当ですか? 手袋を探してくれるって」

管理人「ああ。だからさっさと手袋を落とした場所まで案内するんだ」

二人はスノーモービルで移動し、男性の案内で黄色の手袋が落ちている場所まで辿り着いた。

男性「いやーよかった! 本当にありがとうございます」

手袋を見つけて喜ぶ男性。一方、管理人は木の棒を手袋が落ちていた場所に刺して目印にした。

男性「それ、なんです?」

管理人「なんでもない。それより、用が済んだならさっさと帰るぞ」

そして管理人は事務所まで男性を送り届けると、再び木の棒を立てた場所まで向かおうとした。

男性「あの、本当にありがとうございました。最後にこれだけは言わせてください」

男性は、スノーモービルで去っていく管理人に声をかけた。

男性「見つかるといいですね。妻の指輪も」