1日1ジョーク

創作アメリカンジョークを公開しています。1日1更新。

学校のジャージ

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とある駅の前で、一人のスーツを着た男が立っていた。

とは言ってもこの男、仕事中というわけではない。

スーツを着ているのは周りを信用させるため、その実態は子供を狙うろくでもない犯罪者だった。

男はしばらく獲物を物色していたが、やがてターゲットを決め、近づいた。

男が狙ったのはジャージを着た中学生。その胸元に名前が書いてあるのを男は見逃さなかった。

男「やあ、もしかして君、田島さんとこのお子さんかな」

男は親しげに話しかけた。こちらから相手の名前を口に出し、知り合いだということを印象付けるのが男の戦法だった。

話しかけられた少年は、男の方を見て答えた。

少年「えっと、そうだと思いますが」

男「実は私、田島さんとは知り合いでね。日頃お世話になっているからお礼をしたいと思っていたんだ」

少年「知り合い……ですか」

少年は微妙な反応をした。

警戒されているのかもしれない。男は少年の父親と親密な関係であることをアピールすることにした。

男「田島さんには仕事の愚痴を聞いてもらったり、プライベートの相談をしたりしているんだ」

少年「……」

男「実は今日もばったり会って、挨拶してきたばかりなんだ。田島さんと会うと、私はいつも元気が出る。君が羨ましいよ」

男が話を終えて少年の様子を伺うと、少年は危ない人を見る目で男を見ていた。

そして少年は逃げるように去っていった。

ちくしょう、警戒心の強い子供だ。

男は去っていく少年の背中を見ながら舌打ちをした。

そのとき、少年の通学用カバンが男の目に止まった。

そのカバンには田島中学校と書いてあった。