1日1ジョーク

創作アメリカンジョークを公開しています。1日1更新。

ボクシングのススメ

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あるところにいじめられっ子の少年がいた。

彼は今日も同級生たちに水をかけられ、びしょ濡れで下校道を歩いていた。

すると、たまたま通りがかった男が心配して声をかけた。

男「どうしたんだ、何があった?」

少年「実は僕、いじめられてて。クラスの子たちに水をかけられたんです」

男「そうか。それは辛いだろうな」

少年「いつもやめてと言ってるんですが、やめてくれなくて。どうすればいじめがなくなるのか分からないんです」

男「それは、強くなるしかないな」

少年「強く?」

男「実は私、ボクシングジムを経営しているんだが、よかったらうちに来ないか」

少年「そこに行けば、いじめはなくなりますか」

男「それは君次第だ。だが、ボクサーになって強くなっても喧嘩はしてはいけないよ」

少年「え?」

男「ボクサーの拳は凶器と一緒なんだ。だから、ボクサーになったら絶対に人を殴ったりしてはいけない。でも、そんなことをしなくても、ボクシングを始めて肉体的にも精神的にも強くなれば、必ずいじめはなくなるはずだ」

少年「……」

男「君の気が向いたらでいい。いつでも待ってるよ」

男はそう言うと少年に名刺を渡し、去っていった。

少年は受け取った名刺を、帰る間ずっと眺めていた。

翌日、少年はボクシングジムを訪ねた。

男「ようこそ、待っていたよ。さっそく入会の手続きをするかい」

少年「いえ、お礼だけお伝えしたらすぐに帰ります」

男「お礼? ボクシングをやりに来てくれたわけじゃないのかい?」

少年「最初はそのつもりだったのですが、その必要がなくなりまして」

男「どういうことだい?」

少年「ボクサーになる前にと、クラスの子たちをボコボコにしたらいじめはなくなりました」